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船側肋骨と肋板との間の角度は、有効なガーダーの外板取付部とチャインとを結んだ直線のなす角で測る。
チャイン角度が160°まで開かなくとも、チャインの剛性が低下して肋板を支持する能力が不十分になると、この部分に損傷を発生することがある。
船首部においてはチャインに隣る縦肋骨位置にガーダーを設け、又は肋板に十分な倒れ止めブラケットを設ける。強度計算は断面図の寸法(横截面内の寸法)を用いず、外板面に直角な実際深さをとって計算する。倒れ止めは必ず縦肋骨に取付け、外板に直接取付けてはならない。
縦肋骨は肋板を貫通して全通させる。外板にリベット接合した縦肋骨の貫通部は肋板に切欠きを設けるが、切欠きの大きさは必要最小限とし、縦肋骨のウェブは肋板に直接溶接し(図5.6)、有効なブラケットを設けて肋板に固着する。肋根深さは切欠きの2.5倍以上とする。
縦肋骨が外板に溶接されているときは、肋板ウェブに縦肋骨ウェブ相当のスリットを設け、また、縦肋骨ブリーフランジ又は球部には肋板相当の切欠を設けて組合せ、全局溶接にするのを原則とする(図5.7)。肋根深さは縦肋骨深さの2倍以上とRR11基準(案)は定めているが、小型船では肋板の要求断面係数を満足すれば2倍未満として差支えない。全局溶接とする場合は、肋板倒れ止めブラケットとして設けるもの以外は原則としてブラケットは必要としない。

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図5−6バルブプレートのウェブ

   フレーム貫通例

 

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図5.7

 

(4)センターガーダー

センターガーダーは建造時据付の基準として、入渠時の背骨としての役目が重要であることは明らかであり、また、重要な縦強度材でもあるが、スラミング荷重を受ける防撓パネル構造のメンバーとして考えるとき、スラミング荷重の分布が十分に解明されていないため、決定が難しい。

 

 

 

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